総括:コートジボワール、マラウィ、バングラデシュ歴訪 2023年8月6日~9月14日
- 信吉 正治
- 2023年9月28日
- 読了時間: 5分
総括:今回、コートジボワール、マラウィ、バングラデシュ 3カ国を6週間弱の期間、歴訪いたしました。
コートジボワールでの健診は 1000 以上の健診者が受診し、WHOのNTD ( neglected tropical diseases:顧みられない熱帯病 ) の Dr. Koffi も参加したGlobal Medical Sharing Conference で800人あまりの聴衆の前で、我々の活動と組織についてpresentation を行いました。教育支援として子供達に鉛筆 750 本 (5本/袋 X 150袋) を配布いたしました。またロッテと寄付契約を結んでおり、今回はチョコレート菓子 (トッポ等) 35箱をロッテより寄付していただき、これも子供達に配布いたしました。
マラウィでは、UNICEF、保健省、リロングウェ市保健担当局、二次病院、産科婦人科医師会長、Kamuzu University of Health Sciences (KUHeS) 産科、Johns Hopkins Project を訪問し、meeting を持ちました。3年のパイロットスタディの後、保健省のHealth strategic Plan (2023〜2030) 取り入れてもらう意図を説明いたしました。その上で、産科婦人科医師会長、KUHeS 准教授からは、かなり具体的な示唆をいただきました。現在、保健省とMOU (基本合意書)を提携中ですが、現地の信頼できる協力NGOとMOU締結を開始いたしました。信頼できる活動拠点ができます。
バングラデシュには、マラウィの医療施設にSustainability (持続性) をもたらすことを目的としてSocial Business を学びに参りました。課題は、山積していますが、Grameen (グラミン) 各組織の担当者とメールアドレスを交換し、今後接触を保っていく体制を作りました。彼らの知識、経験、戦略を学ぶことが必須です。体制作りに数年かかるのではないかと思っております。
序章:
我々の活動は三つのキーワードにまとめられます。
1) Public Health (公衆衛生)
2) Innovation (革新)
3) Sustainability (持続性)
1) Public Health (公衆衛生)
地域の Public Health (公衆衛生) を向上させ、疾患の発症を抑制することは、比較的資金が少なくて済み、cost performance (費用対効果) も高いものがあります。また合わせて地域の医療啓蒙活動も行う事ができ、地域、国家の医療活動の底辺を支えることができます。
2) Innovation (革新)
医療の現場にinnovation をもたらしたいと思っております。その為に各国のInnovative company (革新的企業) と連携・協力体制を持っております。
① 3Dプリンターによる義足制作:NANODAX (日本) → コートジボワール
② 携帯電話網を介しての医療尾情報、医療サービスの提供 : Trust Oo (ミャンマー) →マラウィ
2021年2月1日のミャンマー軍事クーデター以後、連絡が途絶えていたが、本年の6月より連絡がとれるようになりました。
③ デジタル遠隔妊婦腹部エコー健診 (SPAQ):SOIC (コンゴ民主共和国) →マラウィ
3) Sustainability (持続性)
医療活動をSocial business 化して、外部からの援助に依存せずに自立して医療活動ができる体制を作ることを目的とします。
今回の訪問での実績:
1) 3Dプリンターによる義足制作:NANODAX (日本) → コートジボワール
今回、8月10日に、コートジボワールの首都アビジャンで行われた Global Medical Sharing Conference でプレゼンターションを行いました。WHOのNTD ( neglected tropical diseases:顧みられない熱帯病 ) のブルーリ潰瘍を担当されている Dr. Koffi も参加しております。このシステムは現地に大きな工場は必要なく、3Dプリンターの設置のみで、安価に義足が制作できます。コートジボワールはブルーリ潰瘍のために四肢に障害、ないしは切断した小児が多くいますので、これらの患者に安価な義足を供給することを目的とします。
2) デジタル妊婦腹部エコー健診 SPAQ):SOIC (コンゴ民主共和国) →マラウィ
8月の訪問で、UNICEF、保健省、リロングウェ市保健担当局、二次病院、産科婦人科医師会長、Johns Hopkins Project, Kamuzu University of Health Sciences (KUHeS) 産科とミーティングを持ちました。3年のパウロットスタディの後に、国家プロジェクト化する方針を伝え、協力を得ました。
3) Sustainability (持続性)
バングラデシュのユヌス教授が創設された Grameen (グラミン) 銀行を中心としたGrameen 各組織を訪問いたしました。Social business の導入を考えています。Grameen グループは、現時点では、準国家組織とも言える組織で、国が本来行うべきものを代行して行っているとも言えます。単純にバングラデシュの現在のシステムをマラウィに移植すれば良いというものではありませんが、各部署の担当者とメール交換をしており、接触を続けます。最後に参照としてgrameen グループの簡単な紹介を添付いたします。
今後の活動:
産科婦人科医師会長、Kamuzu University of Health Sciences (KUHeS) 産科准教授と以下の点で合意に達しました。
1) Ⅰ年目:リロングウェ (中央部首都) 、2年目:ブタンタイア (南部の商業都市)、3年目:ムズズ (北部の都市) で、各都市 6ヶ月で1000人の妊婦健診を行う。それぞれの都市の周辺部の3病院 (一次病院 二つ、二次病院 一つ)
2) 国家プロジェクト化する際には、UNICEFに資金援助を要請する。
本年12月に始めに2週間、マラウィを再訪して、現地の病院視察を行う予定ですが、このときに、UNICEF、保健省、リロングウェ市保健担当局、二次病院、産科婦人科医師会長、Kamuzu University of Health Sciences (KUHeS) 産科、Johns Hopkins Project の担当者を招いてmeeting ができれば、と思っています。 今後とも、御指導、御教授をよろしくお願いいたします。
Red Wood Japan Nagasaki 信吉 正治 ………………………………………………………………………………………………………………………………… 参照:Grameen グループの紹介
Grameen Bank: バングラデシュ国内で、Loan (融資) を行う。
Grameen Trust: バングラデシュ国外で10ドルから100ドルの少額のinvestment (投資) を行う。
Nobin Uddokta Project: バングラデシュ国外でのinvestment (投資) を行う。額はTrust ほど少額ではない。
医療アクセスにおけるグラミンの取り組み
1) グラミン・カルヤン (Grameen Kalyan)
一次医療を貧しい人たちに提供することを目的としている総合医療組織。単に一次医療施設を建設するだけでなく、貧しい人たちの保険制度を独自に創設しており、年間1ドル、2ドルの保険料で、医療費のかなりの割合をカバーできるシステムを創っている
2) グラミン・ヘルスケア・サービス (Grameen Healthcare Service)
具体例として、眼科クリニック網の紹介があった。白内障などの眼科手術も可能。
3) グラミン・コミュニケーション (Grameen Communication)
デジタルシステムの創出。例えば、過去の病歴を30秒で、医師に提示できるシステムを開発。 農村部の Maternity and Child Health (母子保健) はこの部署で行っている。
信吉 正治 ・Red Wood Japan Nagasaki 理事長 ・Red Wood Japan 理事 E-mail : nobuyosi@me.com 携帯番号 : 080-5450-5502 〒 854-0066 長崎県諫早市久山町 1528-1 グランディール レゾン 502 Red Wood Japan Nagasaki ホームページ 日本語版:https://www.rwjn.org 英語版:https://www.en-rwjn.org
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